DAY2 : 2020.2.15(日)

学べる磐梯山カメラ 最終回トークセッション「ローカルヒーローの時代」&全体講評会

学べる磐梯山カメラでは、『写真でまち(街)を元気にする!』を合言葉に、参加者みんなでカメラを持って、街へ出かけて、磐梯山エリアで活動する人々を取材。そして地域の魅力を地域に住むカメラマンによって撮影・情報発信。カメラを通して、人と人の距離がどんどん縮まって、繋がっていく、そんなプロジェクトです!

そんな学べる磐梯山カメラの最終回講座を、2/15(土)に開催しました。

最終回講座は、MOTOKOさんの「写真は世界を変える」という素敵な言葉とともにスタート! これまでの学べる磐梯山カメラの活動を振り返った後、ゲストの写真家 平間至さんとMOTOKOさんのトークショー、全体講評会という2本立てのプログラムで行いました。

トークショーでは「ローカルヒーローの時代」をテーマに、写真家 平間至さんと講師の写真家 MOTOKOさんが対談。

まずは、平間さんの小さな頃から現在に至るまでを写真を元に振り返りました。写真家としてキャリアをスタートされてから、タワーレコードの「NO MUSIC, NO LIFE.」キャンペーンのポスターをはじめ、名だたるアーティストの方や有名人の写真を撮られてきた、トップカメラマンの平間さんですが、現在は平間写真館TOKYOにて、一般の方の写真撮影もされています。2003年には生まれ故郷、塩竈の人を約180名撮影した写真集「よろしく! Don’t forget me.」を出版され、さらに2008年からは、「塩竈フォトフェスティバル」を企画・プロデュースし、地元塩竈でも活動をなさっています。

平間さん祖父と平間至さん
写真集「よろしく! Don’t forget me.」から
写真集「よろしく! Don’t forget me.」から
写真集「よろしく! Don’t forget me.」から
平間写真館TOKYOで撮影された写真
平間写真館TOKYOで撮影された写真

「自分はこのまま塩竈にいてはいけない!」と思い上京した平間さんですが、自分の夢見ていた東京と実際の東京の違いを目の当たりにし、そこで地元愛が目覚めたのだとか。また、塩竈には美味しいお寿司屋さんや神社など、素敵な場所がたくさんあるのに、点と点になっていて繋がっていないのでは?と思うようになったそうです。
2003年に出版された、写真集「よろしく! Don’t forget me.」に写る塩竈の人たちはみんな生き生きとした表情で繋がっていました。
この写真集の撮影は、約5日間で約180名の人をフィルムカメラで撮影するというとても過密スケジュールだったそうです……!
この写真集を見たMOTOKOさんが、「写真を見ていると、撮影している時の平間さんも笑顔なんじゃないかと思う」言うと、「写真を撮る人と撮られる人は同じ表情をしていて、シンクロしている」と平間さんが答えてくださいました。だから平間写真館では、「笑顔でお願いします!」は禁止ワードになっていて、相手に笑顔になってもらうために自分から笑顔になって、相手に一歩踏み込んでいくのだそうです。

また、MOTOKOさんが、「所謂著名人の写真と私の知らない一般人の写真の間にであまり隔たりがないように感じる」とコメントすると、平間さんは「僕の中では隔たりはないですね」と仰っていました。また、MOTOKOさんが、著名なヒーローと無名なヒーローを撮影する時のスタンスを尋ねると、「僕としては何も変わりはない。その人の魅力的な瞬間を撮る・魅力的な表情を撮る・魅力的な構図を探す。写真館はそれに特化できると思う」とコメントをくださいました。

さらに、質疑応答の時間では、参加者の皆さんからの質問に、お二人が答えてくださいました!

平間さんとMOTOKOさんのトークは、これから磐梯山をはじめとする地域で活動をしていく方の励みになり、写真を撮る上でのたくさんのヒントがありました。平間さん、MOTOKOさん、ありがとうございました!

最後の全体講評会 ~平間さんとMOTOKOさんからのコメント~

そして最後の講評会となりました。

今回の課題は、<磐梯山地域で暮らす人、活動する人を撮影・インタビューする>でした。受講生の皆さんの主体的な取材は発信を促すことで、今後の磐梯山エリアの地域カメラマンによる情報発信コミュニティを創出することを目的としています。

今回は、講師のMOTOKOさんと、特別ゲストの写真家 平間至さんからもコメントをいただけるという、最終回にふさわしいとても豪華な回になりました!

猪苗代のお惣菜屋さんでの1枚。ソースカツ丼が好きだけど焼き鳥もおいしい。

MOTOKOさん(以下 M):平間さんの『よろしく! Don’t forget me.』にありそうな写真!

平間さん(以下 H):人物の表情・中の働いている様子などがよくわかる写真。もしワンポイントアドバイスするのなら、右側の白い給水湯とか水の流れている部分がない方がおばあちゃんに目が行く。(白い場所は、ハイライトで心理的に自然と目が行く場所。もうひと寄りすることでおばあちゃんに目が行く)

M:私は手のポーズが好きなので、平間さんの言うようにもう一回りトリミングしても良い。その方がおばあちゃんの美しい手が映える。

移住者の金森さんの古民家の蔵。将来的には巨大カラオケルームにしたいらしい。
この日は珍しく雪が降っていたので黒と白のコントラストな感じを表現。

H:屋根のへの字、というか斜めのラインが2つ重なって非常に綺麗。茶色の靴と窓枠、黒い屋根のラインとパンツなど、相似要素がたくさん含まれているのが良い。

M:平間さんの言うとおり、色使いが綺麗。雪が降っているのも空気感が出てて良い。

磐梯町地域おこし協力隊の森谷祐輝さんを撮影。
今回は、鳥獣被害対策として設置しているカメラのある場所へ連れて行ってもらった。

H:写真の2つの大きな機能として、記録と表現がある。結果的に両方含んだりもするけれど、撮影する時に記録なのか、自分の内面や感じたことを写真を通して伝えたいのかを明確にしていった方が伝わる写真になる。

M:学べる磐梯山カメラを通して、撮影スキルが上達したのが分かる1枚。平間さんのコメントはその次のステップになる。そしてこういう写真をこれからも、もっと発信してほしい!

裏磐梯スキー場に行った時に、雪の遊び方を教えてもらったもの。
後ろ向きに倒れた時の雪の跡が天使に見えて面白いと思い撮影。

H:雪だけ出なくて、たとえば足とか人の一部も写っているとかだったらスケール感がわかって良い。

M:自分が感じた天使のイメージが伝わるように、「伝わるにはどうすれば良いか」を考えることが大切。チャレンジングな写真で凄く良いから、どうすれば天使だって伝わるのかを考えてもらえるといい。

「世界のガラス館猪苗代店」の写真。(スタッフやお客さんの撮影はNGだった)
透明なガラス細工だけでなく、色とりどりのガラス細工だったり、ガラス細工の可能性が見れた気がした。

H:優れた写真の特徴として、構図が良いのと偶然性の両立がある。これは形とか色が面白いので、ここにさらに何か偶然性が加われば写真としてより面白くなる。

M:これ(ガラス細工)自体の説明ではなくて、自分がなんで面白いと思ったのかを表現できると良い。惹かれた理由を教えるのが写真なのかなと思う。

猪苗代町で教育・観光・WEB制作など幅広い活動をしている「株式会社アウレ」。
これからの猪苗代を担っていく若いメンバーを魅力的に伝えられたらと思い撮影。

M:この写真は90年代に出てきたスタイルで「ロッキング・オン写真」って呼んでる(笑)。四角いところに横並びというのが、よくロッキング・オンの絵コンテに出される構図で、このフォーマットを作ったのは正に平間さん世代!

H:バンドのアーティスト写真みたいで良い。でも左二人が自分の手の置き場がなくて後ろで組むしかなかったのが気になる。手って置き場所に困りやすいから。だから僕だったら壁に寄りかからせる。(真っ直ぐ立ったままっていうのは撮られる側というのは難しい状況。撮影される側ってどうしたらいいかわからないので頼れるものがあるかどうかで違う。)

写真家:平間 至さん

1963年、宮城県塩竈市に生まれる。日本大学芸術学部写真学科を卒業後、写真家イジマカオル氏に師事。写真から音楽が聞こえてくるような躍動感のある人物撮影で、今までにないスタイルを打ち出し、多くのミュージシャンの撮影を手掛ける。近年では舞踊家の田中泯氏の「-場踊り-」シリーズをライフワークとし、世界との一体感を感じさせるような作品制作を追求している。2006年よりゼラチンシルバーセッションに参加、2008年より「塩竈フォトフェスティバル」を企画・プロデュース。2009年よりレンタル暗室&ギャラリー「PIPPO」をオープンし、多彩なワークショップを企画する等、フィルム写真の普及活動を行っている。2013年には、俳優・綾野剛写真集「胎響」(ワニブックス)や、田中泯氏との写真集「Last Movement-最終の身振りへ向けて-」(博進堂)の発表と共に個展も行い、大きな注目を集めた。2012年より塩竈にて、音楽フェスティバル「GAMA ROCK」主催。2015年1月三宿に平間写真館TOKYOをオープンする。

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